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【CCDによる画像】

  近年CCDやCMOSといった固体撮像素子によるデジタルカメラが普及し、 高感度・小型化が急速に進んできました。 これらデジタルカメラで撮影された 映像のことを主にデジタル画像と呼び、デジタル画像ならではの特徴を 持っています。 

  天体撮影などの長時間露光ではそれらの特徴が顕著に現れ、デジタル画像 の性質をうまく利用してノイズや周辺減光などを除去することができます。

  それではデジタル画像にはどのような情報が含まれているかみてみましょう。  まず、露出時間0.000秒で撮影されたときに現れる映像のことをバイアス と呼び、その画像をバイアスフレームと言います。 これはデジタルカメラの ゼロレベルを意味し、あえて正の値を持たせることで各画素の感度のばらつきによる 負の信号を持たせないようにします。

  次に露出時間を1秒にして撮影すると天体像が写ってきます。 しかし暗い天体を 撮影するにはもっと長い露出時間が必要になります。

  では露出時間を1000秒にして撮影してみると、天体像のほかにポツポツと ノイズが現れてきます。 これは半導体特有の暗電流が露出中に発生し、電気信号 として記録されます。 光を当てなくても露出時間に応じて同じ場所に発生 するノイズです。 

  したがって、デジタル画像の中には次のような模式図で情報が含まれていると 考えることができます。

            画像 = 天体像 + ダークノイズ + バイアス 


【ライトフレーム】

  ライトフレームとはレンズのキャップを開けて撮影した画像のことで、天体情報以外に バイアス情報やダークノイズ情報が含まれています。

          式: ライトフレーム = 天体像 + ダークノイズ + バイアス

【バイアスフレーム】

  バイアスフレームとは露出0秒で撮影した画像のことで、光による電気信号はなく カメラのゼロレベルの情報が含まれます。

          式: バイアスフレーム = バイアス

【ダークフレーム】

  レンズにキャップをして光が入らないようにし、ライトフレームと同じ露出時間で 撮影した画像のことで、案電流によるノイズとバイアス情報が含まれています。

          式: ダークフレーム = ダークノイズ + バイアス

【フラットフレーム】

  撮影した天体画像にはバイアスやノイズの他に光学系による周辺減光や フィルタ上のゴミの影が映ってきます。 レンズの前に均一な白い板を置いて撮影すると 周辺減光やゴミの影が写り、これをフラットフレームと呼びます。 天体画像から フラットフレームで割り算すると周辺減光やゴミの影を消すことが可能になります。

          式: フラットフレーム = 感度分布情報

【ダーク処理】

  式をみてわかるように、ライトフレームから天体像だけを採取するにはダークフレーム を引けばよいことがわかります。 したがってダーク処理では天体画像からダークフレームを 引き算する処理のことです。

          式: 天体像 = ライトフレーム − ダークフレーム
                   = (天体像+ダークノイズ+バイアス)−(ダークノイズ+バイアス)
                   =  天体像

【フラット処理】

  天体像には画素の感度差やレンズの周辺減光またはフィルタ上のゴミが写っていることがあります。  これを除去するためにライトフレームをフラットフレームで割り残すると消すことが可能となります。

          式: 天体像 = 撮影した天体像 ÷ フラットフレーム

   【その他】

  冷却CCDカメラを使った鑑賞写真用の処理において、特別なことがない限りバイアスフレームを 使うことはありません。 ライト、ダーク、フラットフレームの3種類を撮影すれば きれいな天体画像を作り出すことができます。
  ではバイアスフレームは何に使うのでしょう?
  バイアスとはゼロレベルを意味します。 ダークフレームからバイアスフレームを 引き算するとダークノイズのみのフレームができ、これに演算することが可能となります。  たとえば-10℃で10分間撮影したライトフレームがあったとします。 通常-10℃&10分間の ダークフレームを作りますが、万が一露出時間を5分間に設定してしまった場合、ダーク ノイズは半分となってしまいます。 バイアスを引き算してダークノイズのみのフレームを作れば そのフレームを2倍することでダーク処理が可能となります。
  このように演算を使う場合やカメラのノイズ測定などにバイアスフレームが使われることがあります。