田中光学工業株式会社  ゴーストレスフィルタとマルチコートウィンドウ 


ゴーストレスフィルタとマルチコートウィンドウ


  ゴースト対策を施したフィルタ通称ゴーストレスフィルタはそれだけでは効果がありません。 ゴーストは レンズ設計ルートを通らない光線が再結像するのが原因です。 光学エレメントの透過率は100%ではなく境界面で わずかながらの反射率をもち、各面同士の折り返し反射によってゴーストが出現します。 中でも星の周囲に現れる 円盤状のゴーストはフィルタの表面と裏面の組み合わせが原因で、これを抑えるにはそれぞれの面の反射率を極めて低くする必要があります。   近接した平面同士の組み合わせは優れた反射防止コートが施されていない限りゴーストが発生します。 したがって CCDのウィンドウとカラーフィルタの両方がゴースト対策されることで初めて最終映像がゴーストレスになります。

フィルタによるゴースト光線ウィンドウによるゴースト光線


シングルコートウィンドウマルチコートウィンドウ
IDAS Type2
標準的カラーフィルタ
IDAS BGRL-RS2
ゴーストレスフィルタ


  カラーフィルタによるゴーストが内側の円盤、ウィンドウによるゴーストが外側の円盤として出現します。 シングルコートと IDAS Type2フィルタの組み合わせでは2つのゴーストが重なって写っています。 ノーコートウィンドウでも同様な結果になります。 (不規則な回折像はピンホールの形状やフィルタ表面の汚れに起因しゴーストとは関係ありません)

  このようにゴーストレスフィルタとマルチコートウィンドウが同時に組み合わさったときほぼ完全にゴーストは消えます。  必ずマルチコートウィンドウ搭載カメラと一緒にお使いください。 またゴーストレスフィルタを使わなくてもマルチコート ウィンドウを装備するだけでゴーストを半分に抑えることができます。 FLI冷却カメラ北米仕様のままではマルチコートが装備できませんが、 弊社ではより高品質のカメラを提供するため国内販売向けカメラすべてに特殊マルチコートウィンドウを装備できるオプションをご用意しています。 ATIK製カメラは 通常のマルチコートが標準装備されています。 CCDセンサのカバーガラスはマルチコートが施されており同様にゴーストは観察されません。  これ以外の効果として迷光が少なくなりフラット処理の精度が向上します。

■評価画像撮影データ
カメラ FLI ML8300(CCDカバーガラス有り)
レンズ シグマ300mmAPOF4.0開放
フィルタバンド 青
露出 5分間
人口星 ピンホール白色LED

■価格
弊社オリジナルマルチコートウィンドウ \16,800〜
IDAS BGRL-RS2 \109,200-


リンク : FLIマイクロラインシリーズ