| 望遠鏡における低膨張素材の効果 |
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天体写真撮影において一般的な写真撮影と大きく違うところは露出時間です。 一眼レフカメラで 風景を撮影するときは1/100〜1/1000秒といった高速シャッターにセットしますが、天体撮影では 露出時間が数時間に及びます。 この数時間の間、天体と望遠鏡の位置関係が ズレてしまうと点が点に映らず時間の無駄となってしまいます。 特に顕著に現れるのは ピントのズレです。 ![]() ピントのズレの直接の原因は望遠鏡素材の膨張・収縮によるもので、これは外部の温度変化によるものです。 外部というのは、外気温と空です。 外気温は説明するまでもありませんが、空が意外と思われるでしょう。 宇宙はマイナス何百度という超低温の世界で、地球はそのその宇宙に接していますので、夜、野外で 望遠鏡を出して星が見えるということは、暗黒の冷たい世界が目の前にあり、地上の熱は宇宙に奪われていきます。 いわゆる放射冷却です。 少し脱線しましたが、日没と伴に外気温は低下し放射冷却も起こるため、望遠鏡はみるみる温度が下がっていき ピントのずれが起こってきます。 大型の望遠鏡であれば温度が下がるのに時間が掛かりすぎるため ミラー素材にゼロデュアなどの無膨張ガラスが使われています。 最近では市販品でも低膨張素材の石英ガラスが 使われているものもあり、これらを選べばピントの移動はほとんどありません。 低膨張素材を使うということは、ピントの移動が少ないだけでなくサーマルシステムを使っても ミラーの変形を抑えらえるメリットがあります。 先に述べたように放射冷却があるために、望遠鏡温度は外気温に 馴染んでいくスピード以上に早く低下が起きています。 ミラー温度が露点以下に到達すると結露が発生します。 これを 防ぐためにミラーの裏にヒータを取り付けたサーマルシステムがオプションで用意されていますが、 青板などにこれを使うと温度変化のために星像がきれいに結像しなくなります。 ![]() 低膨張素材を使った望遠鏡はピントの移動が少ないだけでなく、結露防止対策も行いやすいので 要検討項目です。 また放射冷却を抑える効果が高いのがドームです。 スライディングルーフでは 空が一望できるメリットがあるものの放射冷却が強く結露しやすいですが、ドームであれば 放射冷却が起きにくいのでお勧めのシステムです。 またドーム素材がFRP製であれば 外気温の変化が緩やかになり低膨張素材の望遠鏡でなくてもピントのズレは鈍くなります。 TOP |