HOME > 偏光とは 


【偏光とは】
  偏光とは光が持つ成分である電場と磁場が作り出すベクトルの方向性を示唆し、 自然光ではこの向きがランダムに分布しており、この状態では無偏光といいます。 ところが なんらかの光学作用を起こすことによって、ベクトルの向きが揃うことがあり、このとき 光は偏光しているといいます。

  もっとも身近な例としては、水面に空の光が約57度で反射するとその光は 完全偏光し、偏光サングラスをかけることにより水面での反射をカットすることができます。   このように偏光した光は偏光フィルタによって光量をほとんどゼロにすることが できます。


【構造】
  偏光フィルタにはプリズムを使ったものやシート状のものが存在します。 弊社では シート状の偏光フィルムを製作し、ガラス基盤に挟み込んでガラスフィルタにしたり、 モールド加工することによりサングラスに使われます。 
  偏光フィルムは高分子材料を延伸して原子レベルで格子構造を作ることにより、 光がそこを通ったときに偏光作用が起きます。


【用途】
  もっとも良く使われるのが、釣りなどの偏光サングラスやカメラ撮影用の偏光フィルタです。  水面下の魚の様子を見るために水面で反射する光をカットするだけでなく、屋外での 強い光を減光する役割も持っています。 もちろんサングラス基盤にはUVカット樹脂が 使われることも多いので、紫外線対策にも効果抜群です。
  青空は強く偏光しているため、偏光フィルタをつけて撮影すると空の青さがくっきりと コントラスト良く写ることから、偏光フィルタを常時装着してカメラ撮影なさる ユーザも少なくありません。 また車の窓ガラスで反射する光も同様にカットできるので、 カメラマンにも人気があります。

左:偏光フィルタなし、右:偏光フィルタあり



【円偏光フィルタとは】
  偏光フィルタを使うことにより、光の強弱をコントロールすることができ一方、 フィルタを通過した光もまた偏光しているためデバイスによっては不都合を生じることも あります。 たとえば最近流行のデジタルカメラには、色モアレ防止のためローパス フィルタがCCD直前に貼り付けられています。 このローパスフィルタは結晶で できており、偏光作用を利用して解像度を落とす効果をもっていますが、偏光フィルタ を使った場合ローパス効果がうまく機能しなくなることがあります。 また、一眼レフ カメラに入っているクイックリターンミラーによっては偏光特性があるためAFやAEが うまく動作しないという不具合も起きかねません。
  そこで円偏光フィルタを使うことにより、フィルタを通過した光は直線偏光では 無くなりローパスフィルタに悪い影響を与えることなく、空の光や水面の反射光の 強弱をコントロールすることが可能になります。

クイックリターンミラーの偏光